『泰然自若』
東京の緊急事態宣言は解除となりました。
ですが、蔓延防止措置は以前継続して発布されており、インド株の変異種が徐々に猛威を奮い出しています。
コロナは人の身体の健康を害します。
それ以上に人の心を蝕み、人心に疑心を生み、分断を作り出しています。
東京オリンピック、パラリンピック開催まであと1ヶ月。本当に開催するのか?出来るのか?という話題をしきりにマスコミは報じています。来日した外国人選手の中から2名の陽性者が出た事で、日本の水際対策はこれでいいのか?などと警鐘を鳴らします。ただ警鐘を鳴らしたそのすぐ後に同じ番組で100m五輪代表選考レースを報じ、優勝した多田選手を褒め称え期待と夢を語ります。
マッチポンプ。
焚き付けて消す事。
普通の世の中であれば誰しも選手達の活躍は期待するし、五輪を楽しみたいと思う筈です。
ですが、飲食店舗をはじめコロナ禍で苦しい思いをしている人、実際に入院して今尚病魔と闘っている人を思うと、本当に今、五輪を開催する事が正しい判断なのか迷う所です。
この事についても色々な見方があり、色々な意見があって良いと思っています。
正義は人の数だけあり、立ち位置や守るべきものによって判断は千も万もあるからです。
ワクチン一つ取ってみても打つ人、打ちたく無い人様々。ネットを中心にデマや怪文書なども出回り、それぞれの立ち位置で誹謗中傷合戦を繰り広げてしいます。
自分と違う意見を否定し、拒み、罵る事は実は簡単な事。
感情に任せて自分の頭で考えなければ良いわけです。
殆どの事を感覚や感情で判断するのが人間です。
『人間だもの』ってやつです。
情報を精査し、自分の信じる正義に思い巡らせて判断する事がいかに重要かは理解していても、感情の力に押され思考する事をやめてしまうものですね。
でも、それも一つの選択の姿。
感情や感覚って人にとってとても大切な感覚だからです。
どうか、自分と違う事に恐れず、怯まず、その意見をキチンと聞いた上で自分自身の頭や心で冷静に判断出来る自分でありたいと願っています。
多様性を認められる事。その上で臆さず自分自身の考えを主張できる事。そんなバランスを取れる大人になりたいなぁと思っています。
中々難しい事ですが、『泰然自若』って、こういう事を言うのだろうと思っています。